入場制限をしなかった

入場制限は参加者が会場内で安全に行動できるように、またいざという時に円滑に避難行動にうつれるように、十分な余裕を確保するために必要な制限です。 制限をしないことで過密状態になり、安全に行動できなくなって怪我や事故を誘発することもあります。


これは主催経験者でなくともオフライン活動に慣れている方はご存じだとおもいますが、通常イベントで借りられる会議室や展示会場などは上限人数や目安人数が提示されています。
これは、消防法で定められている制限人数に則り、避難誘導がしやすい人数の目安として決められているものです。
上限人数や目安人数を超えては行けないという決まりはありませんが、万が一の際に円滑かつ安全に退避できるか、などを考えて上限人数や目安人数を参考に入場制限を行うのが通例です。
逆に言えば、それを大幅に上回る人数を会場内に入れた場合、火事などの退避の際に二次被害が起こる確率がぐんとたかくなる、という事です。
Get The World!では、完全にこの目安人数を無視し、消防法で定められている制限人数も無視して来場者全てを会場内に入場させました。
一時は完全にすし詰め状態で、内部の人は身動きさえもままならず、ひたすら人の流れに押されて流れていくという状態でした。
もしあの状況下で火災や地震が起これば、入り口付近の人はともかくも内部の一般参加者さん、サークル参加者さんは完全に逃げ遅れて、多数の死傷者が出ていた事でしょう。
なんの事故も起こらずすんで本当によかったです。
また、コミックマーケット最終日にまとめて配置される男性向け18禁スペースが「戦場」と言われる所以をご存じでしょうか。
男性向け18禁スペースは目当ての本を買うために押し掛けた多数の参加者で、通路が完全に埋まるほど混雑します。
混雑を安全に切り抜けるテクニックと相手に怪我をさせない身の運びなくしては移動もままなりません。
ただ移動するだけでも体力的・精神的消耗が激しく、戦争にいくくらいの覚悟がなければ目的を達成することも困難ということから、揶揄として「戦場」と呼ばれています。
そんな男性向け18禁スペースではまま通行規制が行われ、場所によっては特定のサークル目当ての参加者のみを隔離しておくこともあります。
Get The World!は、この男性向け18禁スペースを思わせる混雑状態でした。
そんな状況下で、スタッフによる適切な誘導もなく、主催による入場制限もなければ、怪我人ゼロということは難しいでしょう。
私も当日会場に居ましたが、すれ違う事さえも出来ずに、鞄や服の金具、購入した本の角などが引っかかり、大量の擦り傷切り傷を作ってしまいました。
風の噂に顔に怪我をされた女性もいると聞きます。
人数過剰となればこういった事態も起こり得ることを想定し、早い段階から入場制限を行って参加者の安全を確保するのは、主催者として当然の務めだと思います。